時計じかけのオレンジ

作品の舞台は近未来に設定されているようで、確かに美術面が良い感じにモダン。
いたるところで造語が使用されており、日本語字幕ではカタカナ表記。
最初は何言ってんだか分からない部分もあるが、だんだん理解できていってちょっと楽しい。


主人公は仲間と共に暴力、略奪、などの行為を繰り返している少年。
頭が良く、家庭も割りと裕福(?)でちゃんとした両親がいる。
常に自分がリーダーとして仲間を抑圧していた為、ある日裏切られて殺人罪で捕まる。
刑務所の過密化を防ぐという目的も手伝って、政府の方針で主導された、
囚人に洗脳的治療を施し、もう二度と犯罪を起こせなくするプログラムを受けることに。
しかしこの治療、洗脳するといっても能動的に暴力などの行為をしたくなくなる
というものではなく、暴力行為を抑えざるを得ない肉体になるというだけなのであった。


余計な説明を一切していないのが良い。
説明的な会話やナレーションはほぼ皆無だったのではないだろうか。
主人公が「雨に唄えば」を口ずさみながら暴力を振るう場面はぞくっとした。
後半にもまた、今度はバスルームで上機嫌に口ずさむシーンがある。ここもなんだか異様に怖い。


とりあえず圧倒される感はかなりある作品だったが、あまり好みではなかった。
キューブリックで他に唯一観た「2001年宇宙の旅」はなかなか好きだったけど。